カジノは、中国や韓国だけでなく食糧難で喘ぐ北朝鮮にも存在する賭博場であり、日本国内でもIR法の成立を機に統合型リゾート・特定複合観光施設の建設が可能となっています。
日本国内には、全国各地で開催される競馬や競輪などの公営賭博に加えてパチンコがありますが、統合型リゾート・特定複合観光施設は1カ所でそれら全てを合わせた金額以上の収益を上げることができると推測されている事業です。
地方自治体も数多く名乗りを上げている
そのため、低迷する日本経済において財政が逼迫している地方自治体にとっては大きな起爆剤であり、東京都や大阪府などの大都市圏だけでなく和歌山県や長崎県などの地方自治体も数多く名乗りを上げています。
特に大阪は、統合型リゾート・特定複合観光施設と2025日本万博博覧会の会場施設やインフラを抱き合わせで建設することによって必要経費の大幅な削減を狙っており、現在使用用途がなく無駄に遊ばせている大阪府大阪市此花区にある人工島「夢洲」への建設を立案している状態です。
大阪府は、2025日本万博博覧会の開催が決定しているので統合型リゾート・特定複合観光施設の開業を合わせることで世界への宣伝効果も高く、世界最大手の宿泊予約サイトAirbnbが2016年に発表した「訪れるべき世界の16地域」では大阪市中央区が1位に選出されていることもあり大阪は最もカジノ誘致の可能性が高い地域とされています。
カジノの起源
カジノは、王侯貴族が所有していた別荘で開催されていた賭け事が起源とされ、1789年に勃発したフランス革命終結後から一気に普及したとされる王侯貴族の遊びです。
世界最古は、サンモイゼ宮殿で1638年に営業を開始し現在の建物に移転した「カジノ・ディ・ヴェネチア」が世界最古とされ、1509年から運河に面して建つ貴族邸宅です。
この邸宅は、ロマン派歌劇の頂天に君臨し「楽劇王」と称された世界的作曲家ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーが晩年を過ごしたことでも知られる建物であり、現在は1階がワーグナー博物館になっています。
館内は、1階のワーグナー博物館だけでなくルーレット台やポーカーテーブルが並ぶラグジュアリー空間の2階も営業が約200年中断される1774年以前の絢爛豪華な装飾や調度品が数多く残されておりモナコとは異なった魅力があります。
カジノ・ド・モンテカルロ
カジノ・ド・モンテカルロは、映画「グレース・オブ・モナコ」やF-1グランプリの開催地として世界的に有名なモナコ公国にあり、パリのオペラ座を設計した建築家シャルル・ガルニエによって1863年に設計施行された建築物です。
モナコ公国は、F-1グランプリやワールド・ラリー選手権が開催されていなくても世界中のセレブが集合している観光都市であり、「サロン・ヨーロッパ」や「サル・デ・ザ・メリック」「サロン・プリヴェ」などで世界中のセレプがプレイしているギャンブラー憧れの場所です。
館内には、壁一面にはめ込まれたフレスコ画や壮麗かつ細密な彫刻など宮殿をイメージさせる絢爛豪華な建築物であり、ドレスコードがあるのでラスベガスや香港のようにラフな格好で入場することはできないとされています。
ヨーロッパでは、中世ヨーロッパらしい建築物で営業し伝統と格式を頑に維持し続けている傾向が見られますが、アジアではラスベガスに代表されるように大規模化が進んでいるのが現状です。
ザ・ヴェネチアン・マカオ
「ザ・ヴェネチアン・マカオ」は、3,400台以上のスロットマシンや800台以上のプレイテーブルを要する世界1の遊戯施設面積約16,000坪を誇る施設であり、日本のIR法では実現不可能とされる統合型リゾート・特定複合観光施設の約50%がゲーミング・エリアとなっています。
また、道路を挟んで東に位置する「シティ・オブ・ドリームス」は、スロットマシンとプレイテーブルがザ・ヴェネチア・マカオの半数の約2,000台ですが、遊戯施設面積が約12,000坪で世界第2位とされています。
韓国では、首都「ソウル」やリゾート観光地の「済州島」をはじめとしてハブ空港のある「仁川」や日本と定期航路があった「釜山」などに10カ所以上あり、基本的に外国人向けの営業となっているのが特徴です。
パラダイスシティ
パラダイスシティは、仁川国際空港に隣接しているだけでなく総床面積約5,000坪を有する韓国最大規模のカジノであり、日本人スタッフが多く在籍しています。
パラダイスシティは、専有フロア内にスロットマシン289台とプレイテーブル173台と小規模に感じてしまいますが、専有フロア内にカフェやレストランバーなどを併設しておりより長い時間飽きることなくプレイできる工夫が施されています。
日本は、香港や韓国に比べて遅れているだけでなく極東にあることや訪日外国人の目的が日本のサブカルチャーや観光にあることが大きな問題であり、統合型リゾート・特定複合観光施設に外国人観光客をしっかりと呼び込めるかが懸念されている状態です。
まとめ
また、香港のように大規模な統合型リゾート・特定複合観光施設を計画するのか、日本らしさを強調した小規模な統合型リゾート・特定複合観光施設を目指すのかが誘致成功の鍵となっています。